それって本当に常識?意外と知らないビジネスマナー
「ビジネスマナーは常識!」と思っていても、キャリアに関わらず意外と知らないことが多いものです。場合によっては、もはやそれは「常識」とも言えないものかもしれません。ビジネスマナーと一言で言っても、シーンや会う人によってさまざまです。基本的な挨拶や、当たり前だと思っていた名刺の渡し方一つでも、人それぞれ異なります。今回は、今こそ知っておきたい、意外と知らないビジネスマナーを、クライアント対応のシーン別にご紹介します。
ビジネスマナーはなぜ必要?
そもそも、ビジネスマナーはなぜ必要なのでしょうか?相手に失礼のないよう丁寧な対応をするのは当然のことですが、なぜビジネス特有のマナーが必要とされるのでしょう?
ビジネスシーンでは、社内の同僚、上司はもちろん、クライアントなど取引先の相手とのコミュニケーションが欠かせません。相手を尊重し、思いやりのある振る舞いをすることで、円滑なコミュニケーションをはかることができ、お互い気持ち良く仕事ができるようになるでしょう。
丁寧な立ち振る舞いは、相手に好印象を与えます。印象が良くなれば、コミュニケーションが円滑にできるだけでなく、信頼関係も築きやすくなるでしょう。取引先の相手にとっても、好印象を持てれば、自社全体へのイメージも良くなり、商談なども成立させやすくなります。
シーン別意外と知らないビジネスマナー
キャリアの長い方であれば、ビジネスマナーは当たり前に理解していると考えていることでしょう。しかし、意外と知らないことも多いのが現実です。社内の人間が相手であれば、ある程度カジュアルな対応でも問題ないことが多いですが、クライアントの対応となると、気をつけなければならない点がいくつかあります。
ここでは、クライアント対応で見落としがちなビジネスマナーを3つご紹介します。
クライアントとの打ち合わせ
クライアントとの打ち合わせの際に、会議室に入って最初に「お客様」を上司や同僚に紹介していませんか?実はこれはNGです。基本的には、身内から先方に紹介する流れになります。上司が同席していれば、まず上司をクライアントに紹介しましょう。
クライアントの訪問を受けた場合、お茶を出すことがあると思います。この時に注意したいのがお茶の出し方です。お茶やお菓子は、お客様の右側後方から出すようにしましょう。出す際には、「失礼します」など、一言かけるとより丁寧で親切です。
席を案内する際にも、上座と下座を間違えないようにしましょう。対面で向かい合う場合には、お客様が出入口に遠い「上座」、自社の人間は出入口に近い「下座」に座るのがマナーです。
名刺交換
名刺交換もビジネスシーンでは欠かせないことながら、マナーがあいまいなことが多いことの一つです。名刺はほぼ相手と同時に出しますが、名乗るのは訪問する側からがマナーです。相手に名刺を向け、相手が片手に持っている名刺入れの上に名刺を置きましょう。
相手の名刺は自分の名刺入れの上で手で受け取り、名刺を渡したら「ちょうだいいたします」と、相手の名刺を両手で持ち直すのがマナーです。当たり前のようで、意外とできていないことが多いシーンです。
着席時には、いただいた名刺は机の上に並べます。先方の役職が一番上の方の名刺は名刺入れの上に、他の方の名刺は座席順に並べておきましょう。
会食
特に初めての相手との会食時には、失礼がないように心がける必要があります。現地集合だった場合、もし自分が先に到着しても、相手が到着するまでは店の外で待つようにしましょう。ただし、あまりに早く着きすぎてしまった時には、お店の前で待つのは迷惑になるので注意が必要です。このような時には、他の場所で時間をつぶし、5分前くらいにお店に戻ると良いでしょう。
また、会食にはお酒を楽しむことが多いと思います。しかし、無礼講と言わんばかりに乾杯時にグラスを勢い良くぶつけ合うのは考えものです。特に高級店やフォーマルな場所では、グラスが傷つかないように配慮することも大切です。あくまで品の良い振る舞いを心がけましょう。乾杯時には、目上の人よりもグラスが上にならないよう配慮することもポイントです。
海外では通用しない?海外との取引におけるビジネスマナーの注意点
近年、国際化が急速に進むなかで、海外の方々との取引が増えている企業も多いでしょう。もちろん、先方が訪問することもあれば、海外に出張に行くこともあるはずです。ここで気をつけたいのが、日本のビジネスマナーは、必ずしも世界で通用するものではないということ。ここからは、海外で気をつけたいビジネスマナーについて解説します。
名刺交換よりもまず握手
日本では、取引先の人と会ったらまず名刺交換をするのが通例です。しかし、海外では、名刺交換よりも相手とのコミュニケーションが重視されます。日本でのビジネスシーンのように、すぐに名刺交換するのではなく、まずは握手からスタートすることが多いため、相手に向き合う姿勢で接しましょう。
もちろん海外でも名刺交換はしますが、打ち合わせ中や終わった後などに、軽くフランクに交換することが多いです。あくまで、人と人のコミュニケーションだということを忘れないようにするのがポイントです。
過剰にへりくだるような態度は逆効果
日本のビジネスシーンでは、とにかく相手に失礼のないよう、丁寧に接することが当たり前です。もちろんこれはとても良いことで、日本人の礼儀正しさは世界でも高く評価されています。
しかし、過剰にペコペコする所作は海外の人に違和感を与えます。丁寧に接しようとするあまり、あまりにペコペコしすぎてしまうと、落ち着きのない人だと思われてしまう可能性があります。
文化の違いや言葉の壁があるため思わぬことが失礼になることも
海外と日本では文化の違いから、ビジネスマナーにも違いがあります。日本では当たり前のことも、言葉の壁や文化の違いから、相手に失礼な対応になることがあるので注意が必要です。
例えば、打ち合わせの場でも、日本人は発言する際も適切なタイミングをはかろうとします。進行の妨げにならないよう、発言を控えることもあるでしょう。しかし、これはNGです。打ち合わせは貴重な意見交換の場であり、ディスカッションあってこそだと海外の人はとらえるため、積極的に発言しないことは仕事していないとみなされる可能性があります。
このようなことを回避するためには、ある程度海外の文化も知っておく必要があるでしょう。相手に失礼があっては、まとまる商談もまとまりません。海外との仕事が増え、積極的に意見交換するには、英会話を学ぶことも必要です。
忙しいビジネスパーソンには、オンライン英会話がおすすめです。オンライン英会話であれば、自分の都合に合わせて受講でき、ビジネスシーンで役立つ英語はもちろん、ビジネスマナーも学べます。
今こそビジネスマナーを見直してみよう
ある程度キャリアを積んでくると、ビジネスマナーは当たり前に身についているものだと考えがちです。しかし、意外に見落としていることも多いかもしれません。また、世の中の状況が変わることで、これまでの常識が常識ではなくなる可能性もあります。ビジネスマナーは基本だからこそ、今こそ見直す機会を設けてみましょう。