Webデザイナーも文房具にこだわるべき!と思う話

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急にペンケースの中身紹介がしたくなったデザイナーのもいです。

別に高価なものを使うべき、という話ではありません!

自分はラフを描くときにやたら机にペン(をはじめとした文房具)をどんどん並べがちなのですが、実はペンの中身はそれぞれ全部違うのです。

おもに使うもの

デザインのラフや、ワイヤーフレームを考えるときに使うのはこの5本です。

  • シャーペン(0.5mm)※硬度B
  • シャーペン(0.5mm)※カラー芯:水色
  • シャーペン(0.3mm)※硬度B
  • シャーペン(0.9mm)※硬度B
  • 赤ボールペン(0.3mm)

使うときは、書きこみたい対象の細かさに合わせて芯の太さを選んでいます。
大体はカラー芯と、0.5と0.3の組み合わせが多いです。

(ここで詳しく書くほどでもないですが、あとは定規やら消しゴムやら、普通に筆記用具全般ももちろん使います)
(スタイル〇ィットのようなリフィル式のペンのほうがかさばらなくて良いのでは…?と自分でも思いはするのですが、いかんせん芯の太さが違うとなかなか実装が難しくて…)

使い分けの基準・使いやすさ

個人的に感じる使いどころ、使いやすさを表にしてみました。

状態使いどころ使いやすさ
シャーペン(0.5mm)※B通常時。基本の型。特に理由がないときや、普通に文字が書きたいときはこれ。普通
シャーペン(0.5mm)※カラー芯:水色下書き、アタリなど、バランスを見ながらザカザカ線を引くときに使う。自分さえ分かればいいので、割とぐちゃぐちゃになりがち目立ちにくい色なので、自分が描いた線に自分の思考を邪魔されずにすむ。
シャーペン(0.3mm)※B細かい部分を先に起こしておきたいときのピンチヒッター。先が細いので、ワイヤーフレームに文字やあしらいの形を描いてしまいたいときに使う。描きこみがしやすい。0.5と比べて明らかに細い線が描けるので、ワイヤーフレームの状態でも強弱がつけやすい。
シャーペン(0.9mm)※Bかなり太いので、大枠を描いたり何かを塗りつぶしたりするのに便利。薄く広範囲にアミカケをしたいときも使う。鉛筆のような重量感。使い方もデッサン用の鉛筆に近いかも。
赤ボールペン(0.5mm)コメントや備考を書き込みたいときに使う。色を分けているため、デザイン上に入れたいオブジェクトではないことがわかりやすい。

中でもおすすめなのは、水色の芯です!

自分はもともとアナログお絵描きの民なので、水色芯(もしくはほかのカラー芯)とは長い付き合いというか、自然と使うものとして認識していました。

※イラストを描く際に、カラー芯でおおまかなアタリや背景のパースを先に描いておくことで、鉛筆やペンでの作業を減らす・きれいにペン入れをしやすくすることができます。

自分が現役でお絵描きの民だったときはまださほどデジタルツールが身近ではなかったし、周囲の似た趣味を持つ人たちもみんなカラー芯を使っていたように思います。
(三菱鉛筆のミントブルー芯が大好きだったのですが2018年に廃盤となってしまったため、直前にまとめ買いしたのはいい思い出です…)

社会人になってから、周囲で使っている人を見かけることがほぼなかったのでとても不思議でした。

水色はモノクロ印刷時に"目立ちにくい色“だといわれています。

スキャンする時に色が出づらく、消しゴムで消す手間が省けるというのが絵描きにとって大きなメリットだったと思います。

そしてその"目立ちにくい色で線を描ける“というところは、デザイナーにとっても強い味方になりうるのです!

ペンを使い分ける利点

気楽に線を引ける

ペンを使い分ける利点は、最初から「きれいな線を描こう!」と思わずに、アタリを描く感覚でザカザカと手を動かしやすくなるところにもあると思います。

先述したとおり、カラー芯は普通のシャーペン・鉛筆の芯より"目立ちにくい色"をしています。

「普通に描く線」「人に見せるかもしれない線」の1段階前という工程になるのですから、気楽に描き始めやすいのではないかなと思います。

紙の上に3層もレイヤーが作れる

ただのコピー用紙の上に、カラー芯・普通の芯・赤ペンで3層も描けるということです。

3層描くということは、少なくとも3回は用紙と向き合えますよね。

ラフやワイヤーフレームを描くときは、必ず前提条件(制作する対象の情報や、要望、原稿やコピーなど)とにらめっこしながら作業すると思います。
ということは、出来るワイヤーフレームはいつも通り1枚でも、最低3巡以上は条件と用紙を見比べて考える・手を動かす工程を発生させられます!

デザイン制作前のシミュレーション回数を増やせる

そうして同じ部分を何度も見ていると、

「この文章量をここに収めるのは無理があるかな?レイアウトを変えよう
「ここのコンテンツはもっと目立つように配置を変えたほうがいいかな?B案として一緒に提案してみよう
「この要素とこの要素が同列に並んでいるのは変じゃないかな?ディレクターに確認してみよう

などといった気づきがポロポロと出てきます。

これらの気づきは、ワイヤーフレームの工程で出しておいたほうがその後がスムーズに進めやすくなると思います。

余談:シャーペンにこだわる理由

あたりまえのことばかりですが、こんな感じです。

  • 先が丸くなったりしないので、鉛筆よりも長く集中力が続く
  • 間違えたなと思ったら消せる
  • カラー芯以外は色がモノクロで統一できる
  • ディスプレイ内を作業領域で圧迫しないため、いろんなものを表示して見ながら作業ができる

「描き分けがしたいだけなら、別にカラーペンなどでも良いのでは?」と自分で試してみたこともありましたが、色の情報がこれ以上入ってくると気が散るな…と感じたため、今はこの状態に落ち着いています。


原稿や前提条件を読み込む、ワイヤーフレームを考えるといった工程をおざなりにした案件では、結果的に下記のような困ったことがよく出てくる気がします。

  • なんとなくの構成を考えた後すぐに制作に取り掛かったら、思うようにいかず長時間こね回すことになってしまった…
  • 思ったより原稿の文章量があり、想定していたところに入りきらなかった…
  • 写真で間を持たせようと思っていた部分なのに、パッとしない素材ばかりで困った…

など

この記事を読んでいるひとの中にデザイン畑の方がどのくらいいらっしゃるかはわかりませんが、少なからず身に覚えがおありなのではないでしょうか?(私はたくさん覚えがあります……)

そのお悩みはもしかしたら、ワイヤーフレーム考案時点でのシミュレーション回数を増やすことで軽減するかもしれません。

今では100円ショップでもカラー芯の取り扱いがある?そうなので、一度「文房具へのこだわり」を試してみるのもおすすめです。

自分の進めやすいやり方で制作するのがいちばんだとは思いますが、この記事が少しでもヒントになったら幸いです。
以上、Webデザイナーの文房具事情でした!

Posted by もい